表面処理の技術記事

3価クロムと6価クロムとは

3価クロムと6価クロムとは

3価クロムと6価クロムとは

クロムとは

表面処理に関わる方なら、クロムと聞いてまず思い浮かぶのは、6価クロム化合物でしょう。

6価クロム化合物は、RoHS指令やREACH規制SVHC(高懸念物質)の規制対象物質ですから、製品含有物質調査リストなどでご存知の方が多い事と思います。

一方、表面処理で使用するクロムは、6価クロム化合物だけではありません。

6価というのは、原子価が6価という事ですので、当然、異なる価数のクロムが存在します。

0価のクロムは金属クロムですし、硝酸クロムや塩化クロムは3価クロム化合物に分類されます。

金属クロムは金属アレルギーを起こしにくく人体には比較的優しい金属と言えます。

3価クロム化合物は、化学薬品ですから安全ということではありませんが、皮膚に付着した場合、すぐに洗い流せば潰瘍を生じることもありませんし、発がん性物質リストにもありません。

問題は6価クロム化合物であり、吸入した場合に肺に障害を起こす、飲み込んだ場合胃腸障害を起こす、また発がん性があるとされています。

それでは、表面処理で使用されるクロムとは、何価のクロムなのでしょうか?

クロムめっき

・6価クロム化合物を使用したクロムめっき = 6価クロム化合物非含有(RoHS指令対応=可)

このクロムめっきは、6価クロム化合物を還元して0価の金属にして析出させためっきですので、めっき皮膜には6価クロム化合物は含有しません。

クロムめっき

クロムめっきADC12

3価クロムめっき

・3価クロム化合物を使用したクロムめっき = 6価クロム化合物非含有(RoHS指令対応=可)

3価クロム化合物である塩化クロムや硫酸クロムを使用したクロムめっきも、3価クロム化合物を0価に還元して析出させためっきですので、めっき皮膜はクロム金属であり、3価クロム化合物、6価クロム化合物ともに含有しません。

3価クロムめっき

3価クロムめっきバレル

6価クロムクロメート

・6価クロムクロメート(亜鉛めっき上やアルミ上に処理する化成皮膜)= 6価クロム化合物含有(RoHS指令対応=不可)

6価クロム化合物を使用した化成処理であるクロメート皮膜は、6価クロム化合物を含む皮膜を亜鉛やアルミの表面に生成させることで耐食性を得るものです。

その皮膜には6価クロム化合物を含有します。

→ シルベックでは6価クロムクロメートの取り扱いはありません。

3価クロムクロメート

・3価クロムクロメート(3価クロム化成処理)= 6価クロム化合物非含有(RoHS指令対応=可)

3価クロム化合物を使用した化成処理皮膜は、水酸化クロム、酸化クロム(3価クロム化合物)等による3価クロム化合物による化成処理皮膜ですので、6価クロム化合物は含有しません。

3価クロム化合物を含む皮膜を亜鉛やアルミの表面に生成させることで高い耐食性を得ることができます。

亜鉛めっき+3価クロムクロメート
亜鉛ダイカストへのダイレクトクロメート
アルミ化成処理(3価クロム系、ジルコニウム系)

3価クロムクロメート

ポイント

クロムめっきとクロメートを混同される方がよくいらっしゃいますが、めっきは金属、クロメートはさび防止のための化成処理皮膜であり、両者はまったく異なるものです。

※ 化成処理:金属の表面に処理剤で化学反応を起こさせて皮膜を生成する処理です。

化成処理

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