めっき 表面処理 表面処理の技術紹介

AST 接着接合下地めっき・表面処理

AST 接着接合下地めっき・表面処理

AST 接着接合下地めっき・表面処理

金属と樹脂を直接接合させるための特殊な下地作りを、めっき、エッチング、アルマイトで作るAST(Anchor Surface Treatment)の技術紹介です。

金属と樹脂をインサート成形で直接接合させて、JISせん断試験を行うと、樹脂が破壊する強度(約40MPa)を実現する表面処理技術です。

インサート成形で金属と樹脂を接合した場合、せん断強度は材料破壊強度と同時に、完全な機密性を実現できるため、ガスリークや液体のリークも全く起きることがありません。

エポキシ系接着剤や塗膜、テープなどとの接着、密着強度も非常に高くなります。

当社のせん断強度試験の樹脂はPPS樹脂になります。

使用用途や樹脂の種類により評価するためのサンプル作成を、ASTめっき・エッチング・アルマイトの表面処理種類から選ぶことができます。

樹脂と金属の直接接合下地めっき・表面処理

開発の狙い

目的:金属と樹脂を直接接合して高強度・高機密性の実現
効果:

  1. 軽量化
  2. 高機密性による防水性能やガスリークなし性能
  3. 部品点数減によるコスト削減
  4. 省工程化によるコスト削減

要点:

  1. 金属と樹脂の一体部品
  2. 射出成形による接合
  3. ねじ、ビス、溶接を使わない接合

進度:

  1. 試作品(めっき・エッチング・アルマイト)の提出可能
  2. 案件により大手化学品メーカーとのタイアップによる完成品の生産が可能

アンカー・サーフェス・トリートメント(AST)とは

自動車の軽量化や、機能性を追求するために、今、マルチマテリアル化が様々な分野で求められています。

その中で、金属と樹脂のマルチマテリアル化には、要求される接合強度の確保が大きな問題となるとともに、 接合界面への空気や水が滲入することも障害となる場合があります。

このような課題を解決する手段として、金属と樹脂との結合力(接合・接着)を飛躍的に高める効果があるのが、アンカー・サーフェス・トリートメント(AST)による金属の表面処理です。

現在当社では、粗化ニッケルめっき、粗化銅めっき、アルミ材へのエッチング、アルマイト(アルミ陽極酸化)による表面粗化技術の提供が可能です。

樹脂と金属を強力な接合力(材料破壊)で直接接合できる表面処理を試作ラインでご提供することができます。

量産化も案件等により可能なので、まずはご評価して戴けますと幸甚です。

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接合メカニズム

AST 接着接合下地めっき・表面処理

アンカー・サーフェス・トリートメント(以下AST)の接合メカニズムは、上図のように金属の表面にめっき、エッチング、アルマイトにより凹凸形状を作り、そこに溶かした樹脂を成形することで、凹凸内部に樹脂が入り込むことにより、金属表面から樹脂が破壊されるまで外れなくなるというものです。

接着剤による接着接合とは異なり、経時変化により金属と樹脂の間にすきまが生じる、真空でアウトガスが発生するといったことを防止する効果も期待できます。

シルベックのASTの種類

1.粗化ニッケルめっき(AST-Ni)

Al合金の表面に複雑な内径形状をした孔(ポーラス)をニッケルめっきで作ります。

現在はアルミ合金素材と樹脂の直接接合の評価のため、画像及び試験データは全てアルミ合金上に粗化ニッケルめっき(AST-Ni)をしたサンプルでの接合強度試験となっております。

粗化ニッケルめっき(AST-Ni)は、アルミ以外でも、鉄、SUS、銅合金など様々な材料にめっき加工処理をすることが可能です。

粗化ニッケルめっき(AST-Ni)のせん断強度試験結果はこちら

粗化ニッケルめっき(AST-Ni)

接着・接合下地用 粗化ニッケルめっき
SEM×2000倍画像

2.粗化銅めっき(AST-Cu)

粗化銅めっき(AST-Cu)は、粗化ニッケルめっき(AST-Ni)とは違う表面状態を作ります。柱状に析出した銅めっきがアンカー効果で樹脂との接合強度を高めます。

現在インサート成形でのせん断試験が未実施のため、追って、情報をアップして参ります。

画像はアルミ合金上の粗化銅めっき表面をSEM2000倍で撮影しました。

粗化銅めっき(AST-Cu)は、アルミ以外でも、鉄、SUS、銅合金など様々な材料に粗化銅めっきをすることが可能です。

粗化銅めっき(AST-Cu)

接着・接合下地用 粗化銅めっき
SEM×2000倍画像

3.マテリアルエッチングによる接着接合下地(AST-E)

マテリアル(母材金属)表面をエッチング(表面を溶解させる)によって凹凸を生じさせる手法です。

その凹凸形状は、樹脂や塗膜などとの接着・接合強度の高い形状を狙って作った形状となっております。

アルミ合金の種類により凹凸の形状が異なります。下記画像は、A6061、A5052、ADC12にエッチング(AST-E)により接着・接合用下地としての表面状態を作っております。

弊社はアルミニウムへの表面処理のエキスパートですが、銅、ステンレスへの適用も可能です。

*エッチング(AST-E)のせん断強度試験結果はこちら

マテリアルエッチングによる接着接合下地(AST-E)

AST-E-A6061
SEM×2000倍画像

マテリアルエッチングによる接着接合下地(AST-E)

AST-E-A5052
SEM×2000倍画像

マテリアルエッチングによる接着接合下地(AST-E)

AST-E-ADC12
SEM×2000倍画像

4.アルマイト(陽極酸化)による接着接合下地(AST-A)

Al合金A5052、A6061材をアルマイト(陽極酸化)で複雑な孔(ポーラス)を持った膜を生成させます。

アルミ合金の種類によって孔(ポーラス)の形状は違ってきます。アルマイトは元来、普通アルマイトでも、孔(ポーラス)ができますが、インサート成型したときに樹脂がアンカー効果を得られる形状になってなければせん断強度は出ません。

下記画像はSEM×25,000倍で観察したAST-A表面画像です。

*接着接合用アルマイト(AST-A)と普通アルマイトのせん断強度試験結果はこちら

アルマイト(陽極酸化)による接着接合下地(AST-A)

A5052
SEM×25000倍画像

アルマイト(陽極酸化)による接着接合下地(AST-A)

A6061
SEM×25000倍画像

せん断試験

粗化めっき(AST-Ni,Cu)・エッチング(AST-E)接合強度せん断試験結果 [MPa]

接合強度せん断試験用Al合金テストピース

Al合金 表面処理 n数
ADC12 AST-Ni(粗化ニッケル)
AST-E(表面粗化)
A6061 AST-Ni(粗化ニッケル)
AST-E(表面粗化)
A5052 AST-Ni(粗化ニッケル)
AST-E(表面粗化)

試験方法

試験方法 圧縮せん断試験(ISO19095準拠)
表面処理金属 45mm×18mm ×2mm
接合面積 10mm ×5mm
PPS樹脂 45mm ×10mm ×3mm

せん断試験後の破断面画像

せん断試験後の破断面画像

AST-Ni(粗化ニッケルめっき)=材料破壊

せん断試験後の破断面画像

AST-E(表面粗化)=材料破壊

AST-Ni・AST-Eの各種Al合金/PPS 接合強度せん断試験結果 [MPa]

母材 表面処理 Mpa(平均) Mpa(最小:最大) 結果
ADC12 AST-Ni(粗化ニッケル) 45 44~48 材料破壊
AST-E(表面粗化) 40 39~42 材料破壊
A6061 AST-Ni(粗化ニッケル) 46 43~49 材料破壊
AST-E(表面粗化) 49 48~50 材料破壊
A5052 AST-Ni(粗化ニッケル) 48 47~50 材料破壊
AST-E(表面粗化) 42 38~47 材料破壊

AST-Ni・AST-Eのせん断試験後の破断面画像

せん断試験後の破断面画像

AST-Ni(粗化ニッケルめっき)=材料破壊

せん断試験後の破断面画像

AST-E(表面粗化)=材料破壊

AI合金/PPS接合強度せん断試験 [MPa]

AI合金/PPS接合強度せん断試験 [MPa]

接着接合下地用アルマイト(AST-A)接合強度せん断試験

試験方法

試験方法 圧縮せん断試験(ISO19095準拠)
表面処理金属 45mm ×18mm ×2mm
接合面積 10mm ×5mm
PPS樹脂 45mm ×10mm ×3mm

接着接合用アルマイト(AST-A)と普通アルマイトしたアルミ合金とPPS樹脂をインサート成形で接合したのち、せん断試験にて評価

金属 Al(A5052,A6061)
N数:8(AST-A:1~6、普通アルマイト:7、8)
接合樹脂:PPS [東ソー SGX-140]

アルマイト(陽極酸化)による接着接合下地(AST-A)

*アルミ合金材料:Lot.No.1、3、5、7:A5052 Lot.No.2、4、6、8:A6061
*表面処理:AST-A.1~6、 普通アルマイト7、8

AST-A接合強度せん断試験

No.1 AST-A=材料破壊

AST-A接合強度せん断試験

No.2 AST-A=材料破壊

AST-A接合強度せん断試験

No.3 AST-A=材料破壊

AST-A接合強度せん断試験

No.4 AST-A=材料破壊

AST-A接合強度せん断試験

No.5 AST-A=材料破壊

AST-A接合強度せん断試験

No.6 AST-A=材料破壊

AST-A接合強度せん断試験

No.7 普通アルマイト=界面剥離もしくは非接合

AST-A接合強度せん断試験

No.8 普通アルマイト=界面剥離もしくは非接合

ASTのポイント

ASTのポイント

  1. 樹脂材料により安定する表面処理が変わる可能性があります。
    企画する製品に実際に使用しようと考えている樹脂にマッチングする表面処理を見つけるための評価試験の実施を推奨いたします。
  2. ASTは金属と樹脂の接合目的だけではなく、エポキシ接着剤や塗膜密着性、ゴム圧着などの金属との接合にも有効です。

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