カラーアルマイトについて
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カラーアルマイトはアルミニウム表面に形成した多孔質な陽極酸化皮膜(アルマイト皮膜)の孔(ポア)に染料を吸着させ、金属感を残したまま多彩な色調を表現する表面処理です。
アルミニウムは、そのままでも美しい外観を持った金属でもあります。しかしアルマイトやめっきをすることで、更にデザイン性を高めることが可能です。
アルミ合金の種類にもよりますがアルマイト+染色による美しい金属質感を持った様々な色を作り出し、同時に耐食性や強度を確保することも可能です。
当社のカラーアルマイトは硫酸法で行います。皮膜が無色透明に近く染色効果に優れ、染色しない場合は限りなくアルミ色に近い外観でナチュラルと呼びます。
また、様々な染料で染色することにより金属感のある各色カラー外観を得られます。
本記事では表面処理のプロフェッショナルがカラーアルマイトの仕組みや種類、発注時に知っておくべきメリット・デメリットについて詳しく解説します。
難しいこと(外観用カラーとして注意が必要)
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ADC10/ADC12などSi(ケイ素)影響が大きいアルミダイカスト材は、無色透明ではなく自然発色(濃いグレー〜茶系)になりやすく、外観狙いのカラーアルマイトには不向きです。
※アルミダイカストでもADC6は色の制限はあるものの、カラーアルマイトの適用が可能です。
当社では普通アルマイト・硬質アルマイトのJISスペック・MILスペックに準拠した処理が可能です。
アルマイトとは

アルマイト(英語:Anodizing)とは、アルミニウム素材の表面に人工的な酸化皮膜を形成することで、耐食性・耐摩耗性・装飾性を高める表面処理技術です。そのために耐食性の良い金属と言われておりますがその皮膜は10Å(1ナノメートル)程度の非常に薄い皮膜なため、防食用保護皮膜としては使えず環境しだいですぐに腐食してしまいます。
そこで防錆・防食を目的とし、アルミニウム製品を陽極で電解処理してアルミの酸化皮膜を生成させる表面処理がアルマイトです。
当社の技術チームは、アルマイトに関する豊富な実績と社内標準を有しており設計・試作段階から量産まで一貫した品質管理体制を構築しています。
アルミ母材表面
アルマイト皮膜はアルミ母材表面より成長しながらアルミ母材内面にも成長していきます。
アルマイト皮膜構造
カラーアルマイトの場合、微細孔(ポア)内径に染料を吸着させることで各色カラーアルマイトとなります。
アルマイトの処理工程
| 予備処理 |
| 予備脱脂 |
| マスキング |
| ショットブラスト |
| ヘアライン加工 |
▼
| 前処理 |
| 脱脂 |
| 化学研磨 |
| エッチング |
| 化学梨地 |
▼
| 本処理 |
▼
| 後処理 |
| 染色 |
| 封孔 |
アルマイトの種類
アルマイトは耐食性が高く、アルミニウム表面硬度を高め染色や着色できる等アルミニウムの付加価値を高め様々な用途に使うことができるようにな
ります。
当社で対応可能なのは以下の6種類のアルマイトです。
カラーアルマイトの皮膜厚さ
皮膜厚さの等級と主な用途例
JIS規格の場合は、下記のような膜厚指定が図面に書かれている場合があります。その図面の製品へのアルマイト皮膜厚さは平均皮膜厚さ(μm)によってし、下表に適合しなければなりません。
| 等級 | AA3 | AA5 | AA6 | AA10 | AA15 | AA20 | AA25 |
| 平均皮膜厚さ (μm) |
3.0以上 | 5.0以上 | 6.0以上 | 10.0以上 | 15.0以上 | 20.0以上 | 25.0以上 |
JIS規格では図面等での膜厚指定がない場合に限り、皮膜厚さの等級は製品の用途および仕様環境を考慮して受渡当事者間で決定します。(例として下記の表などを参考に決定する場合が多いです)
| 皮膜厚さの等級 | 主な用途例 |
| AA3 | 反射板・家電部品(内部)など |
| AA5・AA6・AA10 | 台所用品店日用品・家電部品・装飾品・家具部材・車両内装・建築部材(屋内)など |
| AA15・AA20・AA25 | 台所用品・車両外装・土木_建築部材(屋外)・船舶用品 など |
カラーアルマイトの対応材料
展伸材1000系〜7000系・鋳物用合金 ADC3・ADC5・ADC6・ADC7・ADC10・ADC12・HT-1・AC7C・AC4C 等
| カラーアルマイトに適したアルミ材質 | ||
| *最も適した材質 | *可能な材質 | *外観品に向かない材質 |
| A1083 | A2014 | AC4C |
| A1050 | A2017 | ADC10 |
| A1100 | A3003 | ADC12 |
| A5052 | A7075 | *普通アルマイトとしては、上記アルミ材料全てに対応可能です。しかし外観を望むカラーアルマイトの場合は、材質を選ぶ必要があります。 |
| A5056 | ADC6 | |
| A6061 | AC7A | |
*上記アルミ材は当社でよく取り扱う材質です。
アルミニウム材料とアルマイト処理性
| 合金番号 | アルマイト処理の目的 | |||
| 防食 | 染色 | 光輝 | 耐摩耗 | |
| 1000系 | A | A | A | A |
| 2000系 | C | C | D | C |
| 3000系 | A | B | C | A |
| 5000系 | A | A | B~C | A |
| 6000系 | A | A | B~C | A |
| 7000系 | B | B | C | B |
| ADC5 | A | A | B | A |
| ADC6 | A | B | B | A |
| ADC10 | C | D | D | C |
| ADC12 | C | D | D | C |
| AC4C | B | D | D | C |
| AC7A | A | A | B | A |
アルマイト処理性 A:優 B:良 C:可 D:困難
カラーアルマイトの色調
色調
| 色 調
ナチュラル・ブラック・ゴールド・レッド・ブルー・グレー・ブラウン・ブロンズ 他 |
様々な色調を再現できます。染料メーカーのカラーサンプルから選ぶことも可能です。ただしアルミ材質・膜厚などにより同じ発色が得られるかは不明です。実際の材質・膜厚などでサンプルを作成及び色調について協議し、決定していきます。 |
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| 柔らかいアルミ材質をアルマイトで硬度UP!光沢感も調整可能! | |
皮膜硬度
カラーアルマイトに適したアルミ材質はアルミ純度が高いため、特に柔らかい材質となります。
その為製品にした時の強度・硬度が低い為打痕・擦り傷・変形などに弱く、アルマイトをすることで製品の付加価値を高めることができます。
例)A1100でHV250前後(材質により変化)
カラーアルマイトの製品設計
試作から量産までのフロー
| 設計 (Design) |
||
| 用途確認 | 仕様確認 | VE 提案 |
| アルミ材料選定 | 地要求事項 |
| 形状検討 | アース |
| 予備処理(Matt・Polish・Brust) | マスキング |
| 希望カラー選定 | 耐食性 |
| 膜厚設定 | 面粗さ |
| 治具接点設定 | 皮膜硬度 |
▼
| 試作 (Trial) |
||
| 仕様を満たさなければ再試作 |
| 外観評価 | その他性能評価確認 |
| カラー再現 | 耐食性 (SST・CASS) |
| 膜厚確認 | 耐候性(キセノン) |
| 治具設計 ~治具痕確認 | 面粗さ(Ra・Rmax等) |
▼
| 量産試作 (Pre-Production) |
|||
| 本型本工程 | ハイボリュームテスト | 各管理書類整備 | スタッフ教育 |
| 外観評価 | 計画生産性確認 |
| 限度見本取り交わし | 歩留確認 |
| カラー再現 | その他評価確認 |
| 限度見本取り交わし | 耐食性 (SST・CASS) |
| 膜厚確認 | 耐候性 (キセノン) |
| 治具痕確認 | 面粗さ(Ra・Rmax等) |
▼
| 量産開始 (SOP) |
|||
| 生産管理 | 工程管理 | 品質管理 | 品質保証 |
| 入荷・生産・出荷までの品質保証体系の再確認 |
| 品質情報交換 |
| 供給責任を果たすための人員と生産計画 |
カラーリミットサンプル(色調限度見本)
| お客様からのご指定の色調を作りますが、量産では色の濃淡が発生しやすい色もございます。そこで当社の管理可能な色範囲とお客様の許容範囲を決定します。当社で同じ色範囲のカラーリミットサンプル(色調限度見本)を必要な数量を作成し各社で持つことで色調を管理します。 |
左が薄い色調リミット 真ん中が狙い値中央 右が濃い色調リミット |
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この製品の場合は、6部同じリミットサンプルを作成し承認されたものを各社保管し管理します。 |
2色アルマイト(ダブルカラーアルマイト)
1つのアルミ部品に対して、部分的に2回のカラーアルマイト処理をすることで2色以上のデザインが可能になります。多くは外観重視の装飾部品なため、アルマイトで染色性・光輝性が高いA1000系・A5000系・A6000系のアルミ合金が母材として採用されています。
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| 2色アルマイトの工程 | ||
| 工程①:1色目 | 工程②:切削加工 | 工程③:2色目 |
| アルミ部品全面にカラーアルマイト処理をします | 2色目を入れたい部分を切削加工でアルミ肌を出します | 2色目のカラーアルマイトを切削加工した部分に処理します |
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様々なアルミ素材へのカラーアルマイト
A5052 |
A2014 |
A5056 |
A6061 |
ADC6 |
A7075 |
A7075 |
A6N61 |
A5N01 |
対応可能な予備処理について(化学梨地等
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| 化学研磨 | ショットブラスト | ヘアライン |
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| 化学梨地(左上:母材) | ||
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