めっき 表面処理

アルミダイカスト製品のめっき・表面処理による価値向上

アルミダイカスト製品のめっき・表面処理

アルミダイカストの特徴

金型へ溶湯したアルミダイカスト合金を高速で圧をかけて流し込んで成形します。

仕様用途により様々なアルミダイカスト合金材料が作られていて、金型技術の進化により寸法精度の高いアルミダイカスト製品を生産性高く作ることが可能な工法です。

メリット

  1. アルミ製品製造では大量生産に向いている工法
  2. 各種アルミ鋳造法の中では寸法精度が最も高い
  3. 各種アルミ鋳造法の中では鋳肌が最も平滑である
  4. 最近の技術進化により薄肉製品も作れる
  5. 用途により特性の違う材料から選べる(耐食性、衝撃強さ、機械的特性、鋳造性、耐摩耗性など)
  6. めっき、化成処理、アルマイト、塗装など用途に合わせて様々な表面処理ができる

デメリット

  1. 空気や離型剤の巻き込みにより鋳巣が発生する
  2. 金型費用が必要(企画数量と形状により経済効果は計算できる)
  3. 強度や靱性が鋳巣の出来にくい鋳造品と比べて劣る
  4. 金型の拔きテーパーが必要
  5. アンダーカット形状はできない

アルミダイカストへの表面処理

めっき><化成処理><アルマイト><塗装>が可能

【めっき】

下地めっきとして主に、ニッケルまたは銅をすることでフィニッシュはどのようなめっき種類でも可能です。

アルオンめっき
ソルダブルニッケルめっき
電気ニッケル+クロムめっき

【化成処理】

アルミダイカストへダイレクト3価クロム化成処理(クロメート)、またはノンクロム化成処理が可能です。3価クロム化成処理は、アロジン(6価クロム使用)の代替え処理として採用されています。

アルミ化成処理(3価クロム系、ジルコニウム系)
化成処理比較表

【アルマイト】

アルミダイカストにアルマイトすることで、耐食性向上、強度向上、塗装の耐食性向上下地処理、反射防止などの目的で多くの採用があります。

アルミダイカスト市場で一番多く使われているADC12はアルマイト性がよくありません。しかし、当社ではADC12に高耐食性アルマイトや黒色アルマイトなども可能です。ADC6などには中間色の難しいカラーアルマイトにも対応しております。

タイでは、アルミダイカストに特化して工程設計された表面処理設備を保有しております。

アルマイト種
アルミニウム材料とアルマイト処理性一覧表

【塗装・印刷】

塗装と印刷の場合は、塗装前処理としてのアルマイト処理を含む場合または、アルミダイカスト材料からのワンストップサービスにてお受けできます。

当社サプライヤーにて塗装は、エアスプレー塗装やカチオン電着塗装、印刷は、パッド印刷、スクリーン印刷に対応できます。

【研磨・梨地】

予備処理として、研磨(バフ、バレル、ベルト)することにより光沢面や平滑面、また、梨地(ショットブラスト)で均一に粗すことでマット外観や落ち着いた外観を作ることが可能です。

化学研磨

対応素材:各種アルミニウム・アルミダイカスト
対応工場:タイ

化学研磨液に浸漬して研磨することで表面が滑らかな状態になります。化学研磨でアルミダカスト表面の光沢感を出すことはできませんが、展伸性アルミの場合、光沢感を出すことができます。光沢感を強くするには材料を選びます。また、全体の寸法が小さくなりますので事前に材料寸法狙い値の打ち合わせが必要です。

バフ研磨

対応素材:各種アルミニウム・アルミダイカスト
対応工場:日本、タイ

エメリーバフ(粗研磨)、サイザルバフ(中仕上げ)、バイアスバフ(仕上げ研磨)があり研磨剤を使いながら物理的に磨いていきます。素材にもよりますが、鏡面を作ることも可能です。研磨面は寸法が減りますので事前打ち合わせが必要です。また、形状や仕上げ要求によりバフだれなどが発生する可能性もあります。

バレル研磨

対応素材:各種アルミニウム・アルミダイカスト
対応工場:日本、タイ

バフ研磨が困難な形状や、研磨部分の研磨が可能。小物部品など、品質要求により多量を一度に研磨することが可能です。要求により、メディアの選定を行うことやバレル機(回転、遠心、振動、電磁など)の種類を選定することが重要です。研磨面は寸法が減少します。

ベルト研磨

対応素材:各種アルミニウム・アルミダイカスト
対応工場:日本、タイ

切削力が高く、粗研磨〜中仕上げ研磨用として選定される。バフに比べて平面研磨が容易である。アルミダイカストのパーティングラインをベルト研磨で処理してからバフ研磨やバレル研磨、または梨地工程に移ることが多い。

梨地 ショットブラスト 手打ち型 回転テーブル型 コンベア型 バレル型 他

適応素材:各種アルミニウム・アルミダイカスト
対応工場:日本、タイ

アルミダイカスト、展伸性アルミニウムの表面を、梨地面やつや消し面にする目的でショットブラストを行なっております。

お客様の要求に合わせ、機械の型とメディア種類と、サイズを選びます。ダイカスト場合は鋳肌の2枚肌や鋳巣が表層のすぐ下にある場合、ショットブラストで叩くことで表面が破られるような状態になることもあります。

展伸性アルミニウムの場合は、ガラスビーズなどを使い物理的に綺麗なマット表面を作ることが可能です。また、薄いプレス材料などは反りなどが発生することがあります。

この辺りを熟知し、お客様とアルミダイカスト・アルミ加工品の品質の打ち合わせをよくした上で、条件設定をする必要があります。

化学梨地

適応素材:展伸性アルミニウム
対応工場:タイ

化学梨地液に浸漬してアルミニウム表面を梨地状にします。均等に綺麗なマット外観になるので光学関係などに採用が多い処理です。全体の寸法が小さくなるので寸法打ち合わせが必要です。また、素材がアルミダイカストの場合は効果の程度が低くお勧めできません。

【ワンストップサービス】

私たちは、長年ダイカスターのお客様に育てて頂きました。

製品の品質要求を理解した上で、最適なダイカスター様をご紹介することが可能です。

同時に当社が金型〜ダイカスト品〜加工〜表面処理までワンストップで調達してお客様へ納入することが可能です。

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FAQ よくある質問

Q:アルミダイカストに銅めっきをお願いしたら、下地にニッケルめっきが必要と言われました。アルミダイカストに直接銅めっきは出来ないのでしょうか?

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