アルマイト

アルミダイカスト用アルマイト(ADC-Anodizing)

アルミダイカストへのアルマイトについて

アルミダイカストADC12へアルマイト処理いたします!

アルミダイカストは、寸法精度と強度が高く、鋳肌が滑らかで、機械加工性にも優れています。
アルミの特性を利用した多くの製品に採用されており、自動車、2輪自動車、電気部品、一般機械部品、その他様々な製品に使われています。
アルミダイカスト合金の合金別生産比率では、鋳造性と機械的特性、被削性に優れたADC12が94%以上を占めております。
当社は、アルマイト性の良い ADC5とADC6へはもちろん、ADC12へのアルマイト処理も得意としています。
一般的にADC12は、アルマイト合金の中でもSiの影響でアルマイト性が良くないとされていますが、当社であればお役に立てるかもしれません。

ADC12へのアルマイト

ADC6へのアルマイト

A6082とADC12鋳放し材(アルマイト皮膜の比較)

上記画像の通り、A6082のような展伸性アルミニウムへのアルマイトは、綺麗な膜が生成します。
ADC12鋳放し材にアルマイトした場合、ケイ素リッチ部分とアルミリッチ部分により膜の生成スピードが変わり凸凹した皮膜となり、光輝外観は得られません。しかし、研磨などの予備処理をすればある程度滑らかな外観は得られます。

 

アルミダイカストADC12 へのアルマイトによるメリットとデメリット

メリット デメリット
・耐食性向上
・耐摩耗性向上
・強度向上
・放熱性向上(熱輻射)
・塗装下地に良好
・寸法精度維持可能
・アルマイト皮膜は不導体膜のため電気伝導性がない
・茶褐色に自然発色して湯流れの色むらが出る
(ADC 12へのカラーアルマイトは黒のみ、装飾目的の場合はADC5またはADC6で対応可能)
・化成処理よりも費用がかかる(高:めっき>アルマイト>化成処理:安)

 

アルミダイカストのアルマイト適合表

鋳造性及び他の特性(1:優れる⇆5:劣る)
鋳造性
J
I
S



















ADC10 A380.0 1 2 2 1
ADC10Z
ADC12 380.0 1 2 2 1
ADC12Z
ADC1 A413.0 1 1 1 1
ADC3 A360.0 1 2 3 2
ADC5 518.0 5 5 5 5
ADC6 - 5 5 5 5
ADC14 B390.0 3 3 1 3

 

他の特性
J
I
S






































ADC10 A380.0 4 2 2 1 4 4 2 2
ADC10Z
ADC12 380.0 4 2 2 1 4 4 2 2
ADC12Z
ADC1 A413.0 3 3 3 3 4 3 3 1
ADC3 A360.0 3 2 2 2 3 3 2 2
ADC5 518.0 1 1 1 5 1 1 4 5
ADC6 - 1 1 1 5 1 1 4 5
ADC14 B390.0 5 5 1 3 5 5 1 3

 

アルミダイカスト(ADC12)の耐食性(SST結果)とアルマイトの効果

アルミニウムは、金属の中では耐食性の良い金属でありますが、アルミダイカスト合金
は、合金であるため純アルミや展伸性アルミと比較すると耐食性が劣ります。
またアルミダイカスト合金の中でも、ADC12の耐食性は悪い方に部類されます。

当社社内でADC12鋳放しのテストピースをJIS中性塩水噴霧試験(SST)を12h連続噴霧すると、
全体を白錆が覆うほど腐食してしまう結果となりました。

使用用途を考え、耐食性を向上させる適正な表面処理の選定が必要であると考えます。
(アルミダイカストADC12の腐食対策:防錆目的表面処理ページもご参照ください→こちら

ADC12テストピースへのJIS中性塩水噴霧試験の結果

*塩水噴霧試験(SST)は、試験槽内に塩水の霧を充満させ、金属材料の耐腐食性を
評価する方法です。当社はJIS規格に沿った条件下で評価しました。

ADC12テストピースへのJIS中性塩水噴霧試験の結果

ADC12 SST前(鋳放し品)

SST

ADC12 Material 12H

左上画像のADC12 テストピースをSST 12 時間行った結果が右上の画像
この状態は、鋳造肌の状態が良くても白錆に覆われる結果と評価します。

ADC12 テストピースを何も表面
処理せずSST した場合、12 時間で
全体が腐食する結果となりました。
アルマイトをした場合の効果は?


*このテストは、ダイカストの
SST のため、鋳造肌の個体差が
大きい場合もあり、結果を保証
するものではありません。
当社社内での評価結果であります
が参考資料としてご覧ください。
ADC12へのアルマイト後SST結果

 

アルミダイカスト(ADC12)への
アルマイト効果(SST結果)❶

ADC12へ普通アルマイト処理をし、膜厚10μmでは、SSTすると96hでR.N9.5以上の結果が得られましたが、さらなる高耐食性をもたせることをお望みでしたら
当社の【HiCアノダイズ(ハイシーアノダイズ)】をおすすめします。

HiC アノダイズ(ハイシーアノダイズ)は当社オリジナル技術で、JIS 中性塩水噴霧試
験(SST )240 時間 R.N9.5 の実績を持つADC12 高耐食性アルマイトです。
HiC アノダイズは、当社タイ工場(THAI SILVEC )でのみ対応可能です。

HiC アノダイズ詳細Web ページはこちら

アルミダイカスト(ADC12)への
アルマイト効果(SST結果)❷

HiCアノダイズ(ハイシーアノダイズ)は当社オリジナル技術で、JIS中性塩水噴
霧試験(SST)240時間 R.N9.5の実績を持つADC12高耐食性アルマイトです。
HiCアノダイズは、当社タイ工場(THAI SILVEC)でのみ対応可能です。

【HiCアノダイズ( ADC12高耐食性アルマイト)のSST結果】

NO 材料 膜厚(μm) スペック 48H 120H 240H 360H 480H R.N Remark 判定
4 ADC12 5 HiCアノダイズ 9.5 巣穴にわずかな腐食が見られる OK
5 ADC12 5 HiCアノダイズ 9.8 巣穴がわかるが特に腐食は見られない OK
6 ADC12 5 HiCアノダイズ 9.8 360Hとほぼ変わらない OK
今回の測定結果は、「ダイカストのSST結果」です。鋳造肌の個体差が大きい場合もあり、結果を保証するものではありません。
当社社内での評価結果ですが、参考資料としてご覧ください。
HiCアノダイズ(5μm)のSST結果

アルミダイカスト合金 ADC12 へのアルマイト皮膜硬度測定

 

アルミニウム合金の硬質陽極酸化皮膜JIS H8603 JISの硬質アルマイト規格では、
ADC12は3種(b)に該当し、
「硬度指定無しで、当事者間協定
で決める」と定められています



種類 微小硬さ(HV0.05)
1種 400 以上
2種(a) 250 以上
2種(b) 300 以上
3種(a) 250 以上
3種(b) 渡当事者間協定による。

アルミダイカスト合金ADC12 へのアルマイトの仕様指定で硬度指定は通常ほとんど
ありません。実際どれくらいの皮膜硬度なのでしょうか?
あくまでも社内アルマイトでの評価ですが、参考値として硬度測定してみました。

測定方法
*硬度測定は、マイクロビッ
カース試験機を用い、皮膜の
断面についてJIS Z2244の規定
に従って行いました。

アルミダイカスト合金 ADC12への
アルマイト皮膜硬度の測定結果

ADC12 の鋳放し品(熱処理なし)の硬度は?
・当社ADC12板材を測定:Ave HV125.9

測定データ
荷量 10gh 25gf
材料 材料
Hv 1 164 132
Hv 2 114 109
Hv 3 141 125
Hv 4 123 125
Hv 5 108 118
AVE 130 121.8

ADC12への普通アルマイトの皮膜硬度は?
・当社のADC12への普通アルマイト皮膜を測定:Ave HV154

測定データ
荷量 10gh
普通アルマイト
Hv 1 189
Hv 2 115
Hv 3 168
Hv 4 145
Hv 5 154
AVE 154.2

*ADC12への普通アルマイトの皮膜硬度は?
・当社のADC12への硬質アルマイト皮膜硬度 :Ave HV246

測定データ
サンプル1 サンプル2
Hv 1 302.1 164.4
Hv 2 335.8 147.7
Hv 3 270 156.1
Hv 4 292 219.4
Hv 5 367 224.9
Hv 6 301.6 222.2
Hv 7 267.1 194.1
Hv 8 294.4 196.1
Hv 9 293.7 195.1
Hv 10 264.5 208
Hv 11 260.8 228
Hv 12 283.7 218
平均 294.4 197.8
75 80.3

 

ADC12への硬質アルマイトの皮膜硬度測定画像

硬質アルマイト硬度測定画像
・計24箇所測定=Ave:HV246

皮膜硬度測定についての見解

ダイカスト合金ADC12はケイ素(Si)の影響が大きく、緻密で綺麗なアルマイト皮膜が生成しにくいことから、同じ条件でアルマイトされている一つの製品内でも皮膜硬度のばらつきが大きいです。

2枚のADC12板材へ同条件で硬質アルマイトをして、それぞれ12箇所硬度測定した結果一番硬度の低いデータはHV147・一番高いデータはHV335と倍以上のばらつきが発生しました。

しかしながら、ADC12鋳放し材(裸材)では、平均HV125の硬度が、普通アルマイトをすることで、平均HV154へ表面硬度が硬くなり、硬質アルマイトをすることで、平均246と硬くなります。

つまり、ADC 12製品の強度も高くなります。

耐摩耗性、強度向上、耐食性向上には大きな効果を発揮するものと考えます。

ADC12へ黒アルマイト

ADC12 をアルマイトすると、必ず茶褐色に自然発色します。
合金のため自然発色しますが、特にケイ素(Si) が9.6~12% 組成に含まれていることが、自然発色に大きく影響し同時に色ムラも発生する要因になります。

ADC12 アルマイト前 ADC12 アルマイト後
画像左は ADC12の鋳放し(鋳造後洗浄のみ)、右はADC 12に普通アルマイトをした後の画像です。
(右画像は黒アルマイトではなく、普通アルマイトで自然発色)

当社では、ADC12 への黒アルマイトで比較的綺麗な仕上がり重視のアルマイトをす
ることも可能です。
ただし、ダイカストメーカー様と協力の上、鋳肌の仕上がり調整と当社のアルマイト
条件のマッチングが不可欠となります。

外観と耐食性を求められた製品
ADC12+黒アルマイトの高耐食
性(SST120h以上)仕様

 

カラーアルマイト

ADC5またはADC6をカラーアルマイト処理すると、多様な色を表現できます。また、ADC5,ADC6はアルミダイカスト合金の中でも耐食性も高い合金であり、アルマイトによる耐食性向上の効果も高い材料です。

レバー部:マット黒アルマイト(ADC6 チタンゴールADC6

 

アルミダイカストへの潤滑アルマイト

フッ素樹脂をアルマイト皮膜の微細孔へ強固に形成させた複合皮膜も可能です。耐摩擦性があまり高くないADC12であっても、潤滑アルマイト処理を行うことで、加工面での摺動に対し、効果的な潤滑性と耐摩耗性を付与することが可能です。
この処理は、長期間に渡り、潤滑性能を維持します。ADC12のアルマイト皮膜は通常HV180くらいが平均のため、耐摩耗性を求めた場合、特に効果的な処理と言えます。

潤滑アルマイト皮膜の特徴

無数の微細孔を持つ硬いアルマイト皮膜の表面に、固体の潤滑剤として優れた四フッ化エチレン樹脂(PTFE)の微粒子を電気化学的に形成した複合皮膜です。この皮膜は、初期潤滑性に特に優れていますが、荷重摺動使用にも優れた耐摩耗性能を有します。

潤滑アルマイト皮膜の構造は、固体潤滑の作用機構の中で、最も低摩擦係数が得られる(C)の表面構造にあたります。

ADC12への潤滑アルマイト画像

ADC12素材に10〜15μmの潤滑アルマイト画像

膜厚について:左右ともに1枚の中で10〜15μmのばらつきがありますが、ADC12の場合、合金比率が1製品中の場所により変わるためアルマイトの成膜スピードが変化してばらつきが発生します。

外観と性能について:ADC12材料により、発色が変わります。多くは左側のような色に発色しますが、右側のように茶系が強く発色する場合もあります。また、白く見える部分は水洗の水シミではなく、PTFE(フッ素樹脂)が溜まっている部分です。このような板形状によく見られる現象です。発色やPTFE残りの白色部分ともに性能に問題はありません。

潤滑アルマイト摩擦係数測定結果

ADC12鋳放し材(裸材)と潤滑アルマイト(PTFE含有量100と120)の摩擦係数を測定しました。

測定方法:WC 鋼球相手、150g 、5cm/ 秒、回転半径4mm
* ADC12 鋳放し材はWC 鋼球との摩擦により焼付きを発生

ADC12鋳放し材(裸材)と潤滑アルマイト(PTFE含有量100と120)
摩擦係数測定結果

 

仕様別の対応可能な工場とアルミダイカストサイズ

アルミダイカスト合金へのアルマイト仕様別、対応可能場所と処理可能サイズ

仕様 ADC合金 対応工場 対応可否 処理可能サイズ
1 普通アルマイト ADC12,ADC 日本 可能 1700×400×1050(H)
可能 1300×400×600(H)
2 HICアルマイト ADC12,ADC 日本 × 不可 -
可能 1300×400×600(H)
3 潤滑アルマイト ADC12,ADC 日本 可能 1400×700×1000(H)
× 不可 -
4 カラーアルマイト黒、金 ADC5,6 日本 可能 1700×400×1050(H)
可能 1300×400×600(H)
5 カラーアルマイトその他 ADC5,6 日本 可能 400×200×900(H)
可能 1300×400×600(H)

 

タイシルベック

タイシルベックについてはこちらのホワイトペーパーをご覧ください。

シルベックとアルミダイカスト

アルミダイカストADC12へアルマイト処理いたします!

当社は、アルマイト性の良い ADC5とADC6へはもちろん、ADC12へのアルマイト処理も得意としています。

一般的にADC12は、アルマイト合金の中でもSiの影響でアルマイト性が良くないとされていますが、当社であればお役に立てるかもしれません。

ADC12へのアルマイト

ADC6へのアルマイト

ADC への表面処理で多くのお客様の課題を解決してきた当社は長年に渡りアルミダイカストへの表面処理の研鑽を重ねて参りました。多くのノウハウを持っていると自負しております。
アルミダイカストへのアルマイトにおいても様々な課題解決の提案が可能です。
お気軽にご相談ください。
email:info@silvec.co.jp
Tel:048-994-5931
担当: 遠島

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