アルマイト 表面処理 表面処理の技術紹介

AST-Anodizing 接着下地用アルマイト

金属と樹脂を直接接合!AST (Anchor Surface Treatment)とは

シルベックでは、金属と樹脂を直接接合させるための特殊な下地作りを、アルマイト、めっき、エッチングで作ることができます。
当社では、この表面処理(アルマイト、めっき、エッチング)をAST (Anchor Surface Treatment )と呼んでおります。


インサート成形で金属と樹脂を接合した場合、せん断強度において材料破壊強度を得られるだけでなく、完全な機密性を実現できるため、ガスリークや液体のリークも全く起きないというメリットも得られます。
エポキシ系接着剤や塗膜、テープなどとの接着、密着強度も非常に高くなります。
当社のせん断強度試験の樹脂はPPS樹脂になります。
使用用途や樹脂の種類により評価するためのサンプル作成を、ASTアルマイト・めっき・エッチングから選ぶことができます。
★こちらの記事はASTアルマイトに焦点を当てた内容となります。

ASTアルマイト以外の接着接合下地処理も掲載しています。

*めっき・エッチング・アルマイト全てのAST 技術紹介ページもご覧ください

開発の狙い

目的:アルミニウムと樹脂を直接接合して軽量化・高強度・高機密性の実現


<効果>
・軽量化(アルミを使ったマルチマテリアルによる軽量化効果大)
・高機密性による防水性能やガスリークなし性能
・部品点数減によるコスト削減
・省工程化によるコスト削減
・接着剤、塗装膜、テープとの接着強度も強靭
<要点>
・アルミと樹脂の一体部品
・射出成形による直接接合
・ねじ、ビス、溶接を使わない接合
<進度>
・試作品の提出可能
・案件により大手化学品メーカーとのタイアップによる完成品の生産が可能

 

AST-Aの接合メカニズム

AST-Aの接合メカニズムは、下図のようにアルミの表面にアルマイトにより凹凸形状を作り、そこに溶かした樹脂を成形することで、凹凸内部に樹脂が入り込むことにより、アルミ表面から樹脂が破壊されるまで外れなくなるというものです。
接着剤による接着接合とは異なり、経時変化によりアルミと樹脂の間にすきまが生じる、真空でアウトガスが発生するといったことを防止する効果も期待できます。

アルマイト(陽極酸化)による接着接合下地(AST-A)

Al合金A5052、A6061材をアルマイト(陽極酸化)で複雑な孔(ポーラス)を持った膜を生成させます。アルミ合金の種類によって孔(ポーラス)の形状は違ってきます。アルマイトは元来、普通アルマイトでも、孔(ポーラス)ができますが、インサート成型したときに樹脂がアンカー効果を得られる形状になってなければせん断強度は出ません。

下記画像はSEM×25,000倍で観察したAST-A表面画像です。

A5052 AST-A : SEM×25000 倍画像 A6061 AST-A : SEM×25000 倍画像

 

接着接合下地用アルマイト(AST-A)接合強度せん断試験

試験概要

【試験方法】
接着接合用アルマイト(AST-A)と普通アルマイトしたアルミ合金とPPS樹脂をインサート成形で接合したのち、せん断試験にて評価しました。
金属:Al(A5052,A6061)
N数:8(AST-A:1~6、普通アルマイト:7,8)

試験方法 圧縮せん断試験(ISO19095準拠)
表面処理金属 45mm×18mm×2mm
接合面積 10mm×5mm
PPS樹脂 45mm×10mm×3mm

【試験結果】

アルミ合金材料:

Lot.No1、3、5、7:A5052

Lot.No.2、4、6、8:A6061

表面処理:AST-A.1~6、 普通アルマイト7,8

 

接合強度せん断試験結果画像(No.1~3)

アルミ合金材料:
Lot.No1、3:A5052
Lot.No.2    :A6061
表面処理:AST-A
No.1 AST-A:結果=材料破壊
No.2 AST-A:結果=材料破壊
No.3 AST-A:結果=材料破壊

接合強度せん断試験結果画像(No.4~6)

アルミ合金材料:
Lot.No.4、6:A6061
Lot.No.5 :A5052
表面処理:AST-A
No.4 AST-A:結果=材料破壊
No.5 AST-A:結果=材料破壊
No.6 AST-A:結果=材料破壊

接合強度せん断試験結果画像(No.7~8)

アルミ合金材料:
Lot.No.7:A5052
Lot.No.8:A6061
表面処理:普通アルマイト
No.7 普通アルマイト:結果=界面剥離もしくは非接合
No.8 普通アルマイト:結果=界面剥離もしくは非接合

ASTアルマイトの提出可能なサンプル

・材質:A5052&A6061(実績あり)、他可能材質A1050,A1100,A6063

・製品に処理する場合の製品の有効最大サイズ:H500×300×200(10d㎠以下)

・剪断試験用プレートサイズ:45mm×18mm ×2mm(ISO19095準拠)

・処理可能工場:THAI SILVEC CO.,LTD(当社タイ工場)

注:ASTアルマイト以外の接着接合下地処理は、AST-Niめっきとエッチングが
可能です。お気軽にご相談下さい。
・めっき・エッチング・アルマイト全てのAST技術紹介ページもご覧ください

お問合せ先
mail : info@silvec.co.jp
TEL : 048-994-5931

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